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特集記事【2015年11/20日号】

どんどん日没が早まっていることを肌で感じる秋。「まだ午後5時なのに、もうこんなに暗いのか」と思うことがよくありますよね。この感覚は、一年のうちで最も昼(日の出から日没まで)の時間が短くなる「冬至」の日まで続くことでしょう。

2015年の冬至は、12月22日(火)。皆さんのご家庭では、冬至にちなんだ習わしを行いますか?柚子を浮かべたお風呂に入る「柚子湯」や、「かぼちゃを食べる」といったご家庭もあることでしょう。

今月は、全国各地の冬至の食文化や習わしなど、さまざまな角度から冬至についてご紹介したいと思います。冬を元気に乗り切る秘訣が多く含まれている冬至の習わし、ぜひ実践してみてくださいね!
「冬至にかぼちゃを食べると風邪を引かない。中風(脳卒中)にならない」。

そんな話、聞いたことありませんか?かぼちゃはもともと夏が旬の野菜。しかし、青菜類に比べると格段に保存がききます。かつてはちょうど冬至の頃まで日持ちすること、さらにその時期に緑黄色野菜が稀少だったことから、冬至に食べることが尊ばれる風習が根付いたともいわれています。

実際、かぼちゃはビタミンC、カロテンなどが豊富で、風邪予防が期待できる優れた食材。漢方の世界でも、体を温め、気を補うかぼちゃは、慢性の疲労感や便秘などに効果が期待できるといわれています。冬至に食べることは、体にとって理に叶っているというわけですね。

単品で煮たり、お肉のそぼろをかけたりと、かぼちゃの煮物はご家庭によっても違いがありそうですが、冬至のかぼちゃの食べ方としてよくあるのが「いとこ煮」です。これは、小豆と合わせているところがポイント。一説によると、煮えにくい順に鍋に"追々"入れていくことが"甥甥"に転じ、「甥=いとこ」になったとか。なんともユニークですね。

さらに、地域によっても若干アレンジが異なります。秋田県の鹿角では、小豆とかぼちゃの他にもち米や砂糖、塩を加え、ちょっとお汁粉のような雰囲気になります。ちなみに小豆は、その赤い色が邪気を祓うものとして昔から伝承されてきた縁起もの。

地域によっては「冬至には小豆粥がよい」と、かぼちゃから主役の座を奪っているケースもあるんです。かぼちゃと同様に食物繊維も豊富で、新陳代謝を促し、むくみの解消などにもオススメな食材です。

北陸地方のいとこ煮は、根菜やこんにゃく、油揚げなどを煮たものに、あらかじめ下茹でしておいた小豆を加え、しょうゆや味噌で味付けしたもの。これはイメージしやすいですね。山口県萩の場合は、昆布などのダシに砂糖やしょうゆで味を整えて、小豆と白玉団子を加え、冷ましてから食します。こちらはお雑煮に近い感覚といえそうです。

関東地方では比較的なじみがない「いとこ煮」ですが、ぜひ今年の冬至にお試しください。
かぼちゃ以外にも、冬至の食べ物にまつわる習慣があります。たとえば、「冬至に"ん"のつく食べ物を食べると健康になる」という習わし。これも日本各地に伝わっています。いわゆる「運盛り」と呼ばれるゲン担ぎで、京都では「冬至の七種(ななくさ)」と呼ばれる、以下の7つのいずれかを食べることが良しとされています。

○銀杏 ○寒天 ○蓮根 ○人参 ○南瓜(なんきん) ○金柑 ○饂飩(うどん)

西日本以外にお住いの方には馴染みがないかもしれませんが、「南瓜」はかぼちゃのこと。この中から2つ、冬に食べるとなると、銀杏と蓮根、人参を入れた茶碗蒸しや筑前煮、かぼちゃとうどんを入れたほうとう風のお鍋などもよさそうですね。

ちなみに「饂飩」は「うどん」の他に「うんどん」と読むことがあります。そうなると、これらの食材はいずれも「ん」が2つ入っている名前なんですね。「ん(運)」がたくさんついてくる「運盛り」というわけです。

さらに、南国沖縄にも冬至の習わしがあります。冬至のことは「トゥンジー」と言い、冬至前後の寒さのことを「トゥンジービーサ」と言います。南国であっても、この季節は寒さを感じるものなんですね。さらに冬至の日には「トゥンジージューシー(冬至の炊き込みご飯)」を作って台所の神様「火の神(ヒヌカン)」や仏壇にお供えして家族の健康と安全を祈願。その後、家族揃って食べる習わしがあります。

冬を乗り切る滋養をつけるため、冬至の頃から出回る田芋や里芋を中心に、豚肉やニンジンなどを入れて炊き込みます。田芋は、沖縄の人にはお馴染みの芋で、「ターンム」などと呼ばれます。ねっとりとしたねばりと甘みがあり、子孫繁栄の縁起物としてお正月や節句に食べるんですよ。

そして、こんにゃく。こんにゃくは昔から「砂おろし」などと呼ばれ、体に貯まった砂を出すという言い伝えがあります。新年を新たな気持ちで迎えるために、家中をきれいにする大掃除のあと、「次は体内の掃除」という意味合いで、冬至から大晦日にかけて食べられていました。クリスマス、お正月と、ボリュームのあるお食事が続く年末年始には、胃腸を休める意味でもこんにゃくはいいかもしれませんね。
「冬至に柚子湯に入ると風邪を引かない」。 これは誰もが知る有名な当時の習わしですね。江戸時代に書かれた書物に、すでに銭湯で柚子湯が行われていたという記述があります。なぜ柚子を湯船に浮かべるようになったかは諸説ありますが、柚子は「融通(がきく)」、さらに冬至は入浴で療養する「湯治」と語呂を合わせて縁起を担いだといわれています。鯛は「めで"たい"」、昆布は「よろ"こぶ"」、さらにはお賽銭で5円(御縁)を用いたりと、日本人は本当に語呂合わせが大好き!ユーモアがあって良いですね。

また、柚子は「桃栗三年、柿八年。柚子の馬鹿めが十八年」といわれるほど成長が遅い植物です。そのことから「寿命が長くなるように」という意味が込められているという説も。さらに、香りの強いものは邪気を祓うと言われています。そこで柚子が用いられたとも。そもそも入浴自体、かつては身を清める「沐浴」として神事でもあったことから、旧暦で暦が変わる冬至に柚子湯に入ることは、神聖な行為であったのかもしれません。

さて、柚子湯の作り方ですが、これはご家庭によってまちまちかと思います。厳密なルールはありません。丸ごとお風呂へ入れると「柚子湯に入ってるな〜」という気分に浸れますが、1つ2つ程度では香りを楽しむのはいささか難しいところ。そこでおすすめなのが、丸ごと入れる柚子とは別に、輪切りにした柚子をガーゼや洗濯ネットなどに入れて湯に浮かべる方法。このほうが香り成分も抽出されやすく、沈静効果が高まります。皮に含まれるクエン酸やビタミンCによる美肌効果も期待できそうです。

お風呂だけでなく、"融通をきかせて"食べ物に利用するのもいいですよ。鍋料理などの香りづけにもピッタリですし、胃の不快感を和らげる効果もあるので、年末年始の胃腸疲れにも良いでしょう。また、咳止め、痰の切れをよくする効果や、酔い覚ましの効果も期待できます。柚子の絞り汁とはちみつを入れたホットドリンクも冬には最適です!

なお、冬至にちなんで柚子湯を行う入浴施設も多々あります。栃木県の鬼怒川・川治温泉郷では2015年12月18日と19日の両日「ゆず風呂キャンペーン」ということで、温泉郷すべてのお風呂が「ゆず風呂」になります。また、東京都内の銭湯でも、冬至にちなんで湯殿に柚子を浮かべるところが多いので、ぜひお近くの銭湯に行って確認してみてくださいね。
冬至には、別の呼び方があるのをご存知ですか?それは「一陽来復(いちようらいふく)」。今からおよそ3500年前、古代中国で書かれた易学(占い)の書物「易経」に記されている言葉です。

その意味は、「冬至を境に"陰"から"陽"に転じる」こと。冬は太陽の力が弱まるとされ、この日を境にして再び力がみなぎってくる、つまり「運気」が向いてくるというわけです。これは東洋に限った思想ではなく、太陽の力が最も弱い日が過ぎ去ったことを祝う「冬至祭」は西洋でも行われてきました。一説によると、クリスマスも冬至祭がルーツだといわれています。

そんな「一陽来復」にちなんだスポットが、東京・早稲田にある穴八幡宮。

このお宮は、冬至になると大勢の人で賑わい、出店が軒を連ねます。参拝客が求めているのは「一陽来復」のお守り。この御守りは、江戸時代から穴八幡宮だけが頒布しているもので、"金銀融通"のお守りでもあります。

このお守りは、壁に貼るタイプのものと、お財布に入れておくタイプの2種類があります。壁に貼るタイプは、冬至、大晦日、節分のいずれかの日の、夜中の十二時に、来年の恵方とは真反対の方角の壁か柱、その高いところに貼り付け、一年間動かさないようにします。細かい祀り方の説明書きがお守りと一緒に入っているので、それに従うかたちです。頒布期間は冬至から節分にかけて。冬至の日には始発列車で訪れて列に並ぶ人も多くいるほどです。

もうひとつ、こちらはちょっと遠いですが、かの伊勢神宮の冬至も有名です。この日は、神宮の象徴的なスポットである内宮の宇治橋の大鳥居、その中央から朝日がまっすぐと昇っていきます。世界に目を向けても、ピラミッドなどの古代の墓や祭礼所の中には、夏至や冬至、春分や秋分の太陽の位置を意識して建築されているものが多々あります。伊勢神宮の冬至もまた、幻想的な気持ちになりますね。近年は、この厳かな風景をひと目見ようと、冬至に訪れる方が増えているとか。なお冬至の当日には、来訪客に「冬至ぜんざい」もふるまわれます。

クリスマスやお正月に比べて目立ちはしないものの、先人の知恵がたくさん盛り込まれている冬至。今年はぜひ意識して、過ごしてみてください。
今後の特集の参考にさせていただきます。
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