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特集記事【2013年6/20日号】

うどんといえば、関西と関東の違いをよく耳にします。「関東のうどんはつゆが真っ黒の濃口。関西は昆布ダシで色が薄めでつゆが全部飲み干せる」とよく言われますが、実は関東地方には、個性豊かなご当地うどんがたくさんあるんです。

もともと、稲作が終わってから小麦を二毛作として栽培していた地域も多く、うどん文化は各地に根付きました。つゆの違いだけでなく、麺の太さや小麦の割合、打ち方、さらには具などが地域によって異なり、多彩なうどん文化が形作られています。

今月は、武蔵野うどんや桐生うどんといった関東の定番うどんをはじめ、暑い夏にぴったりのご当地冷やしうどんや、「これがうどんなの?」と思ってしまうような変わりダネうどんまで、一挙ご紹介してみましょう!
うどんの「コシ」といえば香川の讃岐うどんが有名ですよね。東京を中心に、讃岐うどんを提供するお店も近年になってずいぶんと増えました。しかし、関東にも「コシ」の強さを前面に押すうどんがあるのをご存じですか?それは「武蔵野うどん」です。

武蔵野といえば、東京の多摩地域から埼玉の入間郡にかけて広がる武蔵野台地を指します。先月、調布は深大寺の「蕎麦」をご紹介しましたが、この地域の土壌は水田よりも蕎麦や小麦の栽培に適していたようで、昔からうどんを打つ家庭も多かったようです。

麺は、一見すると「これってお蕎麦?」と感じるものもあるくらい、茶色がかっています。これは小麦の胚芽なども含めて挽いているからです。さらに、うどんを打つ際に加える水が少ないため、麺が伸びやすいのが特徴。よって、ざるに盛ってつけめんスタイルで食べることが多いようです。

なにより最大の特徴は、その見た目。ゴツゴツとしていて太さもところどころ異なり、なんとも武骨なたたずまい。うどんといえば女性の肌のようにツルツルとしているイメージですが、武蔵野うどんの麺は筋肉質で男性的ですね。ご覧のような見た目に加え、力いっぱいこねるためコシが屈強!のど越しツルリとはいかず、ゴワゴワしているんですね。その分、小麦粉本来の味がよくわかり、「こんなうどんもアリだな!」とファンになってしまう人も続出しています。

武蔵野台地に位置する東京・小平市に「小平ふるさと村」という施設があります。周辺にあった藁ぶき屋根の農家や郵便局、水車小屋などの建物が移築されていて、まさにふるさとといった風情が漂っていますが、園内にはお食事処があり、風情ある古民家の中で武蔵野うどんのルーツともいえる「小平糧(かて)うどん」を味わうことができます。メニューは「小平糧(かて)うどん」のみで、1日限定50食。営業日も土日や祝日に限られていますので、ホームページで営業日をチェックしてからお出かけください。

タイムスリップしたかのような場所で、素朴な武蔵野うどんを存分に味わってみてはいかがでしょう。
■小平ふるさと村
 ホームページ:http://kodaira-furusatomura.jp/
うどんの原料になる小麦の生産量が多い群馬県。県内には様々なご当地うどんがありますが、とりわけうどん好きな市民が多くで、市内にも無数のうどん屋と製麺業者があるのは桐生市でしょう。この地のうどんは「桐生うどん」と呼ばれています。

1300年前、当時の大知識人だった空海(くうかい)が中国から取得した機織り技術を、白滝姫なる人物が桐生の地に伝えました。白滝姫は他にも当時の先端技術をもたらし、その中のひとつに、うどんの製麺があったのだとか。

白滝姫は都で育ったためか、桐生うどんは関東風というより、どこか京風な趣きがあります。麺はやや太めで、桐生の特産品であるきのこを具にした桐生うどんは人気の的。ざるうどんやおろしうどんなど、冷やしメニューを提供している店も多いですよ。カレー仕立てにしたカレーうどんも、桐生名物として知名度が上がりつつあります。

「桐生うどんの里」さんでは、カレーうどんやキノコうどん、おろしうどんなど、多彩なメニューを提供しています。ちなみに同店は、桐生市の北部に位置する吾妻山の麓にあり、「吾妻うどん」を名乗っています。カテゴリー的には桐生うどんの一種ですね。そうそう、桐生うどんの中で最も変わりダネといわれているのが、平べったい"ひもかわ"と呼ばれるうどんです。

写真は「桐生うどんの里」さんが提供しているものですが、お店によっては、幅が10センチ以上あるケースもあるんだとか!!しかし厚みは1ミリ程度と薄く、なんとも不思議な食感が楽しめます。これは一度食べてみたいですね。ちなみに、桐生うどんには一般的に薬味としてわさびがついてきます。蕎麦じゃなくてうどんにわさび?と思われるかもしれませんが、これがけっこう合うんですよ。

お腹を満たした後は、同店で行っているうどんの製麺工程見学や、手打ちうどん体験にトライしてみるのもいいですね。
■桐生うどんの里
 ホームページ:http://www.azuma-udon.com
今年の夏も暑くなりそうですね。暑さとともに、夏バテで食欲が落ちる方もいらっしゃるのでは?そんな時にありがたいのは、さっぱりと涼しげな冷やしうどんです。関東地方にも、ご当地"冷やし"うどんがありますよ!

埼玉県のちょうど真ん中くらいに位置する川島(かわじま)町は、"都会に一番近い農村"を名乗るだけあって、昔から稲作などの農業が盛んです。夏、カンカン照りの中で農作業をしていると、体力が奪われて食欲も落ちてしまう…そこで農家の方々に受け継がれてきたのが、「すったて」と呼ばれるうどん料理です。

すり鉢の中に、ゴマと味噌、さらには大葉やきゅうり、みょうがなどの野菜を入れてすりおろし、そこに冷えた井戸水を加えてまぜると、すったてのつけ汁が出来上がり。水にさらしたうどんを付けて食べます。うどんは炭水化物ですから、農作業などのパワーの源になり、汗で失われた塩分は味噌、ミネラルは薬味等が補ってくれるわけですね。夏のお料理として、とても理に叶っています。あまり食欲のない時でもスルリと食べることができそうです。

宮崎県の郷土料理「冷や汁」にも似ていますが、「冷や汁」がご飯と合わせるのに対し、川島町のすったてはうどんと合わせるのが一般的なよう。農林水産省が選定した郷土料理百選にも選ばれているんですよ。

右の写真は、川島町にある日本料理店「旬のにぎりと自家製うどん そうま」さんのすったて。うどんのコシは強めでモチモチ感があり、地元農家の手作り味噌、炒りたての香り高い金ゴマを合わせた汁とよく合います!他にも川島町にはすったての名店が勢揃いしていますよ。
■かわじま町の郷土料理 すったて(川島町商工会)
草津温泉と並ぶ、群馬の二大温泉郷といえば伊香保温泉。渋川市伊香保の名物といえば、「水沢うどん」です。

風情ある石段で有名な伊香保温泉郷から車でおよそ8分くらいの場所に、創建1300年を数える「五徳山 水澤観世音(水澤寺)」があり、温泉客にとって人気の観光スポットとなっています。このお寺の門前に連なる県道15号は、俗に「水沢うどん街道」と呼ばれ、10軒を超える水沢うどんの店が連なっています。

もともとは、水澤寺で参拝客にうどんを振る舞っていたことから、門前にうどん店が立ち並ぶようになったのだとか。三重県の伊勢神宮と伊勢うどんの関係に似ていますね。ちなみに、定説ではないものの、香川の「讃岐うどん」、秋田の「稲庭うどん」と共に、日本三大うどんに数えられることもあるんですよ。

水沢うどんは、小麦粉、塩、水沢の水のみ使用するというシンプルさが信条。でんぷんなどの添加物も使用していません。提供するお店には、「水沢うどん登録商標の証」というマークが掲げられています。

そのうちのひとつ、「うどん茶屋 水沢万葉亭」さんでは、コシが強くて透明感のある麺を茹でたすぐあとに、冷水でしめて提供。さっぱりとしたのど越しと、シコシコの歯ごたえを堪能することができます。醤油、ごま、肉汁、辛坦々汁の4種類の味で楽しめるセットも人気ですよ!

ちなみに、水沢うどんは伊香保温泉に訪れる人にとってランチの定番です。どのお店も17時頃には閉ってしまうので、お昼の散策がてら出かけて、お寺などの名所を巡り、宿に帰ってひとっ風呂…というスケジュールがよさそうですね。
■うどん茶屋 水沢万葉亭
 ホームページ:http://www.manyotei.com/
麺の細い太いはあるけれど、皆さんが想像する「うどん」は、ほぼ同じかと思います。しかし、「エッ!?これもうどんなの!?」と驚いてしまう"うどんの仲間"も関東には存在しています!話のタネになりそうな小麦系グルメをご紹介してみましょう。

まずは、耳慣れない「耳うどん」。画像をご覧いただければ一目瞭然、その形が耳に似ていることからその名がつきました。なんともカワイイですよね!

耳うどんは栃木県佐野市に伝わる郷土料理。佐野市を含む栃木県の県南は、稲作を終えた田んぼで小麦を栽培する二毛作が盛んでした。

佐野といえばラーメンも有名ですが、それも良質な小麦が獲れたゆえのことだったんですね。各家庭でも小麦粉を使った料理が食卓に上り、なかでも耳うどんはお正月の三が日に食べる縁起物なのだそうです。

一説によると、うどんに入っている「耳」は鬼で、それを食べてしまえば、その家の出来事などが鬼の耳に入らずに、魔除けになるということから縁起物になったのだとか。また、耳を食べることで他人の悪口が耳に入らずに、円満な人間関係を築けるようにするため…といった説もあります。

そんな耳うどんが食べられるのは、佐野市にある「野村屋本店」さん。明治40年創業の老舗で、ごく一般的なそばやうどん、ご飯ものの他に、この耳うどんがメニューに載っています。椎茸のダシがきいたおつゆに、ほのかに香るゆずの風味。伊達巻やかまぼこなどが具になっているところが、縁起物らしさを演出しています。もっちりとした"耳"の食感も楽しいですよ!

その他、同店には味噌味ベースの「煮込み耳うどん」や、けんちん汁風に仕上げた「田舎風耳うどん」、お餅とチーズが入った「カレー煮込み耳うどん」もあります。お好みに合わせてどうぞ。
■野村屋本店
 ホームページ:http://www.mimiudon.com/
次なるうどんの仲間は「煮ぼうとう」。地域によって「煮ぼうと」「おっきりこみ」など様々な呼ばれ方をしています。「煮ぼうとう」という名前が浸透しているのは、埼玉県深谷市です。日本近代経済の立役者と呼ばれた実業家、渋沢栄一も深谷出身で、この煮ぼうとうをこよなく愛していたのだとか。

山梨県にも「ほうとう」という郷土料理がありますが、ほうとうが味噌仕立てなのに対し、煮ぼうとうはお醤油ベースなものが一般的。そこに、季節の野菜をたっぷりといれて、幅広の麺と一緒に煮込む料理です。一般的なうどんは、一旦うどんを茹ででからお湯を切り、汁に入れますが、煮ぼうとうは生麺を具とともにグツグツと一緒に煮込むわけですね。

そうすると、麺をこねたり切ったりする際に使う小麦粉(打ち粉)も一緒に汁の中に入ります。これが煮込むうちに溶けだして、汁が濁って独特のとろみが生まれます。煮ぼうとう好きな方は、「これがたまらなく美味しい!」のだとか。

具も、ほうとうはカボチャをよく入れますが、深谷の煮ぼうとうはもちろん深谷名産のねぎがたっぷり入ります。これもとろみの元になり、口当たりのよい一品に仕上がることになるわけです。

現在、深谷市には煮ぼうとうを出すお店が10軒以上あります。中には冬期限定メニューにしているお店もありますが、「割烹 楓(かえで)」さんでは、昔ながらのお醤油ベースの煮ぼうとうを通年で提供中。築地から仕入れた魚介類の丼ものと煮ぼうとうのセットなども人気です。

寒い冬に食べたくなるメニューですが、冷たいものの摂りすぎで胃腸が弱りがちな夏にもぴったりの煮ぼうとう。ぜひ味わって、スカッと汗を掻いてみてはいかがですか?
■割烹 楓(かえで)
 ホームページ:http://www.kappo-kaede.jp/
今後の特集の参考にさせていただきます。
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