短すぎるテニスのオフシーズン

12月に入りテニスファンには少し物足りない、オフシーズンが到来してしまいました。

他のメジャースポーツに比べ圧倒的にオフシーズンが短いテニス。例えば野球などですと大体11月までにはシーズンも終わり、翌年の春まではオフ。サッカーなどは国によっても違いますが、Jリーグだと12月〜2月はオフ(天皇杯などは除く)、NBAも5〜8月はお休みと大体どのスポーツでも2〜3ヶ月はオフシーズンがあるものです。

それに比べてテニスはお休みは12月だけと、かなり選手にはタフな環境です。昨年末には風邪をひいたジョコビッチ選手が11月に開催されるATPファイナルズに出場し、記者会見で『シーズンが長すぎると』こぼしました。

更に言えば、一年中世界中を駆け巡らなければポイントを維持できない制度も選手にとってはとてもタフな環境と言えます。

選手はこの短いオフの間に体を休め、次年度のコーチとの契約をしたり、スポンサー企業のイベントに出たり、慈善活動をしたりと、ただでさえ忙しいツアー中よりも更に忙しい毎日を送っています。本当に頭が下がりますね(笑)

MELBOURNE, AUSTRALIA – JANUARY 19: Max Mirnyi of Belarus serves in the first round match with Treat Huey of the Philippines against Leander Paes of India and Andre Sa of Brazil on day four of the 2017 Australian Open at Melbourne Park on January 19, 2017 in Melbourne, Australia. (Photo by Jack Thomas/Getty Images)

そんなオフの間に錦織選手も長年連れ添ったダンテ・ボッティーニコーチとの関係を解消し、あたらにマックス・ミルニーコーチを招聘しましたね。

錦織選手が住んでいるブラデントンで最近までピザ屋をやっていたミルニー氏ですが、現役時代は実はグランドスラム10冠とレジェンドクラスのプレーヤです。テニスのTVニュースではシングルスの結果だけ4大大会でも伝えられ、中継もシングルスのみなので、日本での知名度はイマイチですが、ダブルス界では知らぬ者はいない選手なのです。

プレースタイルもビッグサーブと長身を生かした鉄壁のボレーと、錦織選手と真逆のスタイル。フェデラー選手が30代になり、試合時間を短くして選手生活を更に伸ばしていますが、コツもこのサーブとボレーにあります。

Kei Nishikori of Japan serves during the Tennis US Open on August 28, 2019 in New York City. (Photo by Marek Janikowski/Icon Sport via Getty Images)

錦織選手も大台の年に差し掛かり、このサーブとボレーを活かす時期がやってきました。プレーの選択肢を広げ、試合時間を短くし、体への負担を減らすために、サービス力の強化、ボレーの強化という2つの必要な要素を持ったコーチと言えると思います。また錦織選手が10代の頃からトレーニングしているIMGアカデミー出身ということで、旧知の仲というのもプラスに働くのではないかと思います。

錦織選手に新たにビッグサーブという武器と、前からかなり得意ではあるボレーの決定力が加われば、テニス界屈指のリターン力と相まってキャリアハイの成績を来年は残してくれるのではないかと期待しています。

あとは怪我を早く治して、コートに戻って来てほしいですね!

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