
芝のシーズンが到来!今週末はいよいよ芝の王者が決定します。現在金曜日の時点で勝ち残っているのは第1シードのJ・シナー(イタリア)、第2シードのC・アルカラス(スペイン)、同6位で四大大会のシングルスで男女を通じて歴代単独最多となる25度目の優勝と、同大会最多タイとなる8度目のタイトル獲得を狙う第6シードのN・ジョコビッチ(セルビア)、そして同5位で第5シードのT・フリッツ(アメリカ)が準決勝に駒を進めました。

シードダウンはほとんどなく、ほぼ順当にベスト4が出揃ったなという印象ですが、一番驚きなのは第一シードのしなー選手が先日の4回戦で、第19シードのG・ディミトロフ(ブルガリア)との対戦で3-6,5-7,2-2と2セットダウンの状態まで追い込まれ、あと4ゲームで敗退というところまで追い込まれていたことです。
不運にもG・ディミトロフ選手はプレーでは圧倒していたにも関わらず、第4ゲームのゲームポイントでエースを放ったところでディミトロフが右胸を抑えてうずくまり、そのまま負傷リタイアとなりました。34歳のベテランが得意の芝で世界一位相手に圧倒していたので、もしかするとがあるのかもと期待してしまいました。ゾーンに入って必要以上の出力が出て体を痛めてしまったのかもしれません。

試合後、勝った気がしないと言っていたシナー選手も試合後にMRI検査を受け右肘の痛みを訴えていました。そんなシナー選手は大記録をかけたジョコビッチ選手との大一番に向かいます。
ジョコビッチ選手は優勝すればフェデラー選手の持つ大会8度目のタイトルに並ぶこともできますし、芝はかなり得意としています。過去にも絶好調のアルカラス選手との死闘を2度も制しているだけに今回も決勝でアルカラス選手と目見えて欲しいなと個人的には思っております。

そんなアルカラス選手も今回はウインブルドン仕様にバックハンドをアップデートしてきました。以前はベントハンドという肘が曲がった状態でボールコンタクトしておりましたが、よりパワーを出すために以前のアガシ選手のような、肘を伸ばした状態でインパクトする打ち方にチェンジしています。この変更で普通のコートより滑るウインブルドンではバックハンドのエースが取りやすく、プレイ時間の短縮にも繋がって、体力面的にもかなり温存できているように思います。
準決勝では望月慎太郎選手を撃破してきたハチャノフ選手を4セットで振り切ってきたテイラー・フリッツ選手と対戦予定です。さて今週末は誰がトロフィーに名を刻むのか注目です!